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夜のトンネルに、500馬力のV10NAエンジンが奏でる乾いた高音が響き渡る。シフトパドルを引くたびに、前期モデル特有の荒々しい「Eギア」が、背中を蹴飛ばすような衝撃とともにギアを繋ぐ。この瞬間だけは、自分が世界の中心にいるような錯覚に陥る。
「……で、これ一回のクラッチ交換でいくらかかるんだっけ?」
助手席に座る友人の冷めた声が、僕を現実に引き戻した。彼は効率重視のヤリス乗りだ。 「……100万くらいかな。丁寧に扱えば数万キロは持つけど」 僕は平静を装うが、心臓はエンジンよりも激しく鼓動していた。
これがガヤルド前期の「功と罪」だ。 最新のウラカンや後期の5.2Lモデルにはない、荒削りな5.0Lエンジンの咆哮。そして、アウディ傘下に入った直後の、少しだけドイツの理性が混じったイタリアの造形美。それらは20歳の僕に、同年代の誰よりも眩しい「景色」を見せてくれる。
だが、代償はあまりに重い。 Eギアの制御はまだ未熟で、渋滞での半クラッチは「札束を燃やしながら走っている」に等しい。前期特有の電装系の弱さや、経年劣化でベタつく内装のスイッチ類を見るたびに、僕は「チェックエンジン」の警告灯が点灯する悪夢にうなされる。20歳の僕にとって、一回の故障は「即、破産」を意味するのだ。
「悪いこと言わないから、大人しく高年式のヤリスにでもしとけよ。壊れないし、燃費もいいぞ」
友人の正論は正しい。でも、ヤリスには、このサイドミラー越しに見える巨大なエアインテークも、300km/hの目盛りを刻むメーターも、街中の視線を独占する「猛牛」のオーラもない。
「壊れるのが怖いなら乗るな」という意見と、「壊れる恐怖を超えた先にしか、この感動はない」という情熱。 僕の銀行残高は風前の灯火だが、アクセルを踏み込んだ瞬間の高揚感だけは、誰にも奪えない。
ガヤルド前期。それは、合理性を捨てた者だけが味わえる「毒」だ。 さて、明日の朝、この牛が無事に目覚めてくれるか。僕は祈るような気持ちで、ガレージのシャッターを閉めた。

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コメント一覧 (6件)
ガヤルドは前期ださいな
ガヤルドはださい
アウディの部品が使われてるからって批判する人もいるけど、おかげでちゃんと動くんだから最高でしょ。信頼性とランボルギーニの狂気が絶妙なバランスで共存してた、いい時代の名車だと思う。
素晴らしい車
正直デザインは後期派だがガヤルド自体好き(*^^*)
シングルクラッチのe-gearは最悪。変速のたびにムチ打ちレベルの衝撃がくるし、渋滞にはまればクラッチが速攻で滑って数十万が吹き飛ぶ恐怖のギャンブル。
現行の【ウラカン】とは比べるのもおこがましい、ランボルギーニの皮を被った未完成品。安さに釣られて買うと、修理代で新車が買えるレベルの地獄を見るぞ!